落堕医論

落第医学部生が考えていること

落堕医論

半年のうちに世相は変わった。再試は本試といでたつ医学部生は。

若者たちは花と散ったが、同じ彼らが生き残って留年生となる。

けなげな心情で彼らを送った元同期たちも半年の月日のうちに彼らを飲みに誘うこともまれになるばかりであろうし、やがて忘れ去ることも遠い日のことではない。

なぜ厳しい大学受験を勝ち抜いた腐っても秀才である医学部生が、落第などするのだろうか。人間が変わったのではない。人間は元来そういうものであり、変わったのは世相の上皮だけのことだ。

 

私は医学部生である。6月24日のこの段階で、落第が決定してしまった。

すなはち、ここから来年の3月までいかに勉学に励もうと、いや、先輩にお酒を注いで過去問をいただいたり、優秀たる同期に媚びてご指導ご鞭撻をいただこうと、教授の足の裏を三日三晩丹念に嘗め回そうと、その翌日、4月1日にはまた同じ学年の始まりである。

なぜこのような由々しき事態に陥るまでに私が堕落したのか、それは機会があればお話しする。このブログは某無頼派の巨匠の代表作あやかった名を冠し、わたしが普段考えているよしなしごとを綴る所存だ。

 

私は今のところ人より少し”高校教育範囲から出題される問題”に対して素早く正確に答えることが得意なだけの矮小な人間であるから、ここで読んだことを他人に得意満面に話さぬほうが、身のためであると忠告して、ブログ開始のあいさつとさせていただく